アリとの共同作業は、すべてが自然に進んでゆきます。初めてアリとワークショップを行ったとき、身体のなかに眠っていた何かが、呼び覚まされるような感覚をおぼえました。そしてその呼び覚まされた感覚は、きっとブーメランのように私のフラメンコに戻ってきて、栄養となるだろうと確信しました。
強く「大地」を意識する踊りであるフラメンコに対して、アリのダンスは空へ、空へと向かう踊りだと初めは感じていました。ところが稽古を重ねるうち、アリの踊りもまた、フラメンコ以上に地へ、地へと向かう踊りなのでした。不思議な共通項です。
それがなぜなのか、まだわかりません。
ただアリと共演することで、自分の根幹である「フラメンコを踊るということ」「日本人であること」ということが強く意識されることは確かです。
この刺激的な出会いを、フラメンコファンだけでなく広くダンスファンの皆様に観ていただきたいと強く願っています。
鍵田真由美
desnudo vol.5 12月8日、9日 @MUSICASA(東京・代々木上原)